第20回「青少年のための科学の祭典」京都大会
今年度も京都市青少年科学センターにて、「青少年のための科学の祭典」京都大会が開催され、受付業務の労力アクトに参加しました。
今回は平成27年11月7日・8日両日の開催となりましたが、私は初日の7日(土)午後からの担当でした。この日は曇天でやや肌寒い気候でしたが、センターの担当者によりますと、まずまずの日和とのこと。あまりよい天気だと家族で行楽に出かけてしまうようで、これくらいの天気の方が参加者を多く望めるらしいです。
最近は物理学や生理学・医学の分野で日本人のノーベル賞受賞が続いており、科学に対する興味を青少年に持たせる良い刺激になっていると思われます。片や、昨年の理化学研究所が行ったSTAP細胞に関する一連の発表は、内容だけではなくその問題対応のための理科学研究所が行った後処理に至る諸々の顛末すべてにおいて、日本科学史に汚点を残したことは間違いありません。私見で言うなら、この問題の原因は科学の基礎知識の欠如と言わざるを得ず、少なくとも素人の私などはそう感じてしまいました。
当人が開いた記者会見で、「その細胞を作成するにはちょっとした(自己流の)コツのようなものが要る」とのことで具体性に欠けていました。これは実験の条件や手法が、その時点では定まっていないことによる発言かなと思いました。その直後に200回以上も作成に成功しているとの説明もあって、ひょっとしたら知的財産権の公開に繋がる恐れから、内容は明らかにできない為にコツという表現をしたのかなとも思えました。しかし数ヶ月が経ってから、検証のために当人が監視された状態で行われた実証実験では、ついに作成されずじまいでした。そして当人に対する落胆の声は、この実証実験が行われる前からすでにインターネットなどでちらほらあがっていたことを思い出します。
次代を引き継ぐ青少年や若者には、しっかりとした学問を身につけてほしいと切に願う次第です。今年度の入場者は二日間で5千人前後だったそうですが、六・七年前などは六千人くらいだったのでちょっと寂しい気もします。
でもこの祭典は、子供たちを実際に実験に参加させるブースがほとんどで、体験を通じて身体ごと科学する心を養ってくれるはずです。そして日本の科学の裾野が広がり、今後も世界に日本の科学を発信していけることを期待したいです。
(中井 從道)